施術をつづけていると、そう思うことがあります。

過去に来院された方を手のひらで触診していると、以前の感触が蘇ってくるからです。

後ろに誰かいるような気配とか感覚を、皆さんも感じた事があるかと思いますが、感覚の中で手のひらが一番敏感なのではと思います。体重0.5キロぐらいの変化は、手のひらで感じ取ることができます。

私にとって手のひらはセンサーで、一連の施術過程の中で手のひらの感覚（触診）を、一番大切なものだと考えています。

どんなに沢山の技を知っていても、施術家が実際に使える技は限られています。

シンプルな技を的確に使いこなすことの方が大事だと思います。

一つの技でも、刺激を入れるポイント、角度、深さ、刺激量により効果は違ってきます。

同じ技でも、体系、体格、年齢、性別等により刺激の入れ方が変わってきます。

トリガーポイントとは、筋硬結の一種で、押すと圧痛があり、遠隔部に痛みや痺れ感を生じさせるポイントです。

痛い箇所に原因があるとは限らないのです。

トリガーポイントがある限り、そのポイントを刺激しないと痛みは取れてきません。

関節には遊びがあります。

右上の写真は自動運動といって、自分で限界まで手首を曲げています。

右下の写真は他動運動といって、他力で手首を曲げています。

この上下の写真の差が関節の遊びです。

当院では、この関節の遊びを利用して関節可動域を広げます。

関節を一瞬で矯正するような施術はしていません。

筋肉バランスが悪いと矯正しても関節は元に戻ってしまいます。

まず固くなった筋肉を緩め、関節に少しの可動性をつけて、関節が自然に最適な位置に戻るようにします。